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2008年 05月 17日
4月は、目まぐるしく忙しい月で、泡を吹いていました。 展示会の合間に、先月末京都の仏師である江里康則先生のボストン美術館での講演の通訳をさせていただく機会に見舞われ、先生は、京都の多数の寺院に仏像を納めていらっしゃる大仏師で、私は、歴史家でもなければ仏像に精通している訳でもないので、先生が伝えたい内容を生で会場に来た方々に伝えらるれるのか少し心配でした。勉強はしていたものの、打ち合わせの時間が今回はとても短かったので。でも、それが無事成功に終わり、ほっとしています。 それに、私には自分の展示会よりも、この通訳の方が精神的にも比重が大きなお仕事だったので、すべてがうまくいって本当に嬉しい限りです。 毎回他の作家さんの通訳をする時、感動させられるのは、どの分野で活躍しているかに関係なくアーティストの持つ心は一緒であり、一般的な作品の歴史背景や、技術などの説明を一通りしても、結局、一番作家が伝えたいのは、その作品に託された心の世界だということ。 人が拝む仏を彫る方だろうと、音や色で表現する人だろうと、心を無にし、自分の可能性に秘められた最大限の能力を内から外に向けて無心に表現することで、最終的には、人の心に触れれる自分の想像を超えた世界を伝えたいと自然に感じる境地は一緒なので、その姿は美しく感じられる。 通訳とは、言葉で伝える世界だけれど、言葉は、芸術作品と一緒で、そこが終点でなく、想像と感性を刺激する、出発点に過ぎない。だから、結局のところ、聞く人は、自分の耳にした言葉を自分の世界で受け止めることしかできないから、特に、人間が感情を言葉で表現して伝えた場合は、更に抽象の世界に入るので、それを聞き手が健全にどう解釈して、理解し、その作家が言った本意を受け取り作家の境地に近づけるのかは、実は、聞き手の感性、体験、感情、教養、想像、本能、それらすべてが試される。なので、言葉で伝えつつも、言葉を越えて「相互理解の次元が通じている感性の一体感」と感じれる感覚は、本能的に、瞬間的な絆を人と人の間に生むんだと思う。 どう巧みに言葉で表現をしたところで、その表現された世界を理解ができる体験や感性を持ち合わせていない人には、何も意味が通じなく、正しい理解はされない。それは、人間のコミュニケーションの世界の現実と限界だと、通訳としてだけでなく、私自身、感性を通して人と交流しようとする者として感じることだ。このことは、言葉だけでなく、すべてのコミュニケーションにおいても、言えることだけれど。 他の芸術家の通訳をするのは、私は、とっても好きです。自分の展示会に来てくれる人達は、私に会いに来るけれど、通訳をする時は、そうではなくて、他の輝いているスターの影となり、その作家の気持ちを自分のことのように理解して、違う国の人に作家の意を伝え、生の現場で人々と交流できるお役に立てれるのは、同じ芸術家として無性に嬉しい事だ。それに、私自身、日頃の作品での表現は、実際に、私が人々の反応を目撃できるわけでなく間接的だから、こうして目の前で人の反応を見て、自分が作家と周りの人の役に立っていると分かるのは大きな心の報酬になる。 仏師は、仏を彫るのでなく、既に木に宿る仏をお迎えするために、木と自分自身の無駄な部分を削り落とすことで仏をお迎えするという教えを受けていますと、先生は言った。 万物に存在する生命体のエネルギーの根源。それを、神と呼ぶ人もいれば、仏、光、人それぞれだけれど、その存在と触れ合えるかどうかは本人次第なので、この言葉は、作品に向かときだけでなく、毎日の生活の中で、一生心に留めておきたいと思った。 ランキングに参加中。
by superfineartist
| 2008-05-17 02:41
| 通訳のお仕事
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